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洋画や海外ドラマを観て、気になった事を載せています。また裁縫によるハンドメイドの製作過程も掲載中。

趣味は洋画や海外ドラマ鑑賞と裁縫。音楽はジャズやソウルやボサノヴァが好きです。

禁煙対策-シックス・フィート・アンダー [気になる設定-洋画・海外ドラマ(ネタバレ有)]

[雷]洋画や海外ドラマを観て、違和感のあった作品(シーン)です。気になりました~。

SixFeetUnder.jpg

シックス・フィート・アンダー (Six Feet Under)
https://www.imdb.com/title/tt0248654/
TV Series 2001~2005
ロサンゼルス郊外の町パサディナで葬儀屋「フィッシャー・アンド・サンズ」を営むフィッシャー一家を中心に、一見普通に見える家族の裏に潜む問題、死による喪失と嘆き、それを乗り越えての再生をシニカルかつユーモラスに描いたアメリカのテレビシリーズ(コメディ・ドラマ)。

シーズン2 (エピソード6) / Season 2 (Episode 6)
来訪 / In Place of Anger
主な登場人物
ネイト・フィッシャー (Nate Fisher): フィッシャー家の長男・父親の事故死により葬儀屋
デイヴィッド・"ジェームズ・フィッシャー (David Fisher ): フィッシャー家の次男・葬儀屋
クレア・フィッシャー (Claire Fisher): フィッシャー家の末っ子
キャサリン・コリンズ (Catherine Collins): 葬儀依頼者

フィッシャーに来た、他の葬儀社と値段を比べる未亡人キャサリン・コリンズとの会話。
---------字幕
キャサリン:マシューと結婚して20年もたつなんて。
キャサリン:出会ったのは20歳の頃。
キャサリン:彼が死んだなんて、信じられないわ。
ネイト:すいません室内は禁煙です。
デイヴィッド:法で禁止されています。
デイヴィッド:消して下さい。
キャサリン:すいません。
---------
Catherine: Matthew and I had been married for almost 20 years.
Catherine: Can you believe that? I met him when I was barely 20.
Catherine: And now he's dead and I'm just that much closer to it.
Nate: I'm sorry, we don't allow smoking inside.
David: Please put that out. It's against California State Law. We could be fined.
Catherine: Sorry.
---------

今回は違和感のある設定に疑問を持った話ではありません。
「禁煙」に関してです。
日本の「禁煙」対策の遅れを感じさせられました。
この作品が作られたのは2002年です。
字幕では「法で禁止されています。」となっていますが、"It's against California State Law."と言っています。
訳は「カリフォルニア州法に反しています。」です。
アメリカは法律や規制は州により異なります。
カリフォルニア州ではタバコに関するルールは昔から厳しく、外で吸っている人は殆どなく、価格も高いのです。
調べると、ここは職場の安全性という観点から特別の規制がされている州でした。
カリフォルニア州労働安全衛生法が施行されたのは1995年1月から。
それに比べると日本は大変遅いです。
日本の受動喫煙対策はその遅れから、世界保健機関(WHO)より「世界最低レベル」と指摘されています。
健康増進法が施行されたのは2003年です。
ただし受動喫煙防止に関し法令上なんの罰則はありません。
2017年の2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙対策を推進するため改正案は了承されませんでしたが、2019年7月1日から一部施行され学校や病院、行政機関の敷地などが原則禁煙となりました。
喫煙率は欧州、西太平洋地域が高く、欧州では特にフランスの喫煙者が多いようです。
欧州の映画や海外ドラマを観ると、喫煙シーンをよく観ます。
しかし、世界保健機関(WHO)の調査によると、1人当たりのたばこ摂取量で見ると、日本は世界21位でフランス61位よりずっと上位に入っています。
日本はたばこの価格が安く(アメリカ、イギリスでは1箱12~14ドル(約1350~1550円))、他人に買ってもらうなど嘘を付くことで簡単に手に入ります。
喫煙者のパラダイスと言われるのは、たばこの価格のようです。
日本はたばこに対して、1900年代に世界で初めて18歳未満の喫煙を禁じた国の1つでありますが、ここまで寛容になったのは何故なのでしょう?
多額の税収を喫煙者から得ているから(外食産業の売り上げ・たばこの売り上げ)なのでしょうか?
そもそも「禁煙」の大きな問題は、望まない「受動喫煙」です。
タバコの煙には、喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と、点火部から立ち上る「副流煙」があります。
たばこの有害物質は、主流煙よりも副流煙に多く含まれています。
以前「薬物」で体への害について載せました。
https://lafortuna.blog.ss-blog.jp/archive/20191028
個人への害では、酒(飲酒)の害は、たばこより大きいのです。
ですので、タバコが嗜好品として生き残ってきたのでしょう。
しかし個人への害でタバコは低くても、喫煙は他人に害を及ぼして一人だけで楽しむことが出来ないのです。
近年、「新型タバコ」と呼ばれる電子タバコ・加熱式タバコが出てきました。
従来のタバコ製品よりも害が少なく、「副流煙」であっても害は少ないことが証拠として上がっているようです。
でも害は少なくても、確実に害はあるのです。
喫煙者がなくなれば「受動喫煙」もなくなります。
たばこは「習慣依存」で、心理学でいう「条件づけ」です。
ですので、他の行動で置き換えることができるようになると、習慣の力は低下していきます。
禁煙方法の一つとして、タバコを吸いたくなったら代わりにガムをかむなど、置き換える行動をする方法があります。
また「喫煙習慣」の本質はニコチン依存症という病気。
止められないのは、喫煙によってニコチンの作用がイライラを解消しますが、切れてしまえばまたストレスがくり返されるようになる、という無限ループに陥ります。
ニコチンがないとドーパミンやセロトニンが出にくい体になるのです。
ニコチン依存症から抜け出すためには、タバコに変わる他の自然な方法でドーパミンやセロトニンを出せるようにすればよいのでしょう。
「運動すること」が近年の研究で、禁煙に直接的によい効果があることがわかったようです。
また、人から褒められたり、自分を自分で褒めたりするのも、ドーパミン放出にとってよい方法のようです。
今後も更なる喫煙者が禁煙しやすい環境作りが必要なのでしょう。
受動喫煙対策が最低レベルなのは、日本の法律は受動喫煙対策を事業者の努力義務としいるためのようです。
世界の流れと逆行することのないよう、新たな対策を進めて欲しいものです

---------------- 付記
*タイトルの“シックス・フィート・アンダー”は、北米で土葬を行う際に棺桶を地上から6フィート(182cm)の深さに埋める、という慣例に基づいています。
*何とアイコスは、本家のアメリカでは販売されていません。自国での販売を認めてもらえず、その代わりに日本で大儲けしているようです。



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